日本では交通事故から被害者を救済するために、法律で義務づけられている「自賠責保険」と個人が自分の意思で加入する「任意保険」があります。
自賠責保険は交通事故の被害者に対する最低限の救済となっているため、事故の相手方の身体に対する保証しか対象となっていません。車両やもの、自分の身体の保証は任意保険でカバーするのが一般的となっています。
といっても、任意保険に加入しているのは73.8%(日本損害保険協会)と約1/4となっています。意外に任意保険は加入していない人が多いのが実情です。
今回はそんな任意保険に「改造車」「チューンドカー」「カスタムカー」は加入できるのかを保険会社に問い合わせて見ました。
自動車保険解説サイトなんかを見ると、改造車の定義は「保安基準を満たしているかどうか(車検に通る)」か「車検証に”改”という記載」のどちらかに該当する場合とよく書かれていますが、今回「合法改造車」でも加入ができない場合があることがわかりました。
自分が入っている保険会社が「合法改造車」を認めていないは、場合万が一事故を起こした際に保険金の支払いは行われません。
読者層としては少しでもカスタムしてある車やバイクに乗ってる人が多いと思うので是非参考にしてください。
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基本的には合法改造車であれば加入は可能
車を改造することが違法という認識の方は今すぐ考えを改めましょう。車を改造することは、違法となる「違法改造」と「合法改造」の2つに分けられます。
違法改造というのは、そもそも公道上を走行することができないため、自動車保険への加入も当然できません。これは自賠責保険、任意保険共に同じです。
代表的な違法改造は保安基準を満たしていない「なにが違法やねん競技用やボケ」や「最低地上高」「マフラーの騒音規制違反」ですね。競技用は保安基準を満たせないので、競技用になっている場合が多いです。
しかし、車を合法的に改造する(保安基準を満たす)場合は当然合法なので公道を走行することもできますし、自動車保険への加入も可能です。
ただし、任意保険加入は保険会社によって取扱が異なります。
基本的にネットからの申し込みだと車検証に「改」記載があるだけで加入を断られる場合が多いです。
少しでも純正状態から改造している場合は保険会社に告知しよう
万が一の場合に備えて任意保険に加入しているのに、万が一の時に実は加入できないクルマだったなんてことがないように、保険会社にクルマの仕様を告知しましょう。
明確に「改造車(車検証に「改」の表記)」は加入できないという記載だけならば、保安基準を満たしている改造は基本的に大丈夫だと思いますが、万が一のこともあるので、保険会社に今のクルマの仕様を告知しましょう。
また、基本的には公認を取って車検証に「改」記載がされた場合は保険会社へ通知・告知義務が発生します。「エンジン載せ替え」「ミッション載せ替え」「シートを外して乗員数変更」などの改造をした場合はすぐに保険会社に告知しましょう。
保険会社によって改造の定義が違う
ルカ娘(BNR34)も当然全くの純正状態ではなく、いろいろな箇所のパーツを変更しています。ただし、違法改造ではなく保安基準を満たすパーツを利用したカスタムなので「改造車」には該当しません。
しかし、保険会社によって改造車の定義が違うという話を聞いたので今回は2社に問い合わせて確認してみました。これはちょっと衝撃の内容でしたね。
チューリッヒ保険会社の場合
チューリッヒ保険会社は確認事項の中に「並行輸入車・改造車・型式不明車・カスタマイズカー」という項目があります。
「改造車(車検証上の「改」表記あり)」の確認は多くの保険会社の場合あると思いますが、「カスタマイズカー」という確認は初めてでした。かなり定義が広くなってしまう表記なのでこのカスタマイズカーの定義を問い合わせて確認しました。
Q:カスタマイズカーとは保安基準を満たさない違法改造車を示しているんでしょうか?
A:カスタマイズカーは内装以外を純正状態から変更した場合に該当します。特に保安基準を満たしているかは関係なく、販売時純正状態状態から内装以外のカスタムしている場合を示します。
Q:新車購入時のメーカーオプションのエアロ等も変更していたら該当するんですか?
A:該当します。純正パーツから内装以外のパーツを変更した場合は全て該当します。
これは衝撃の厳しさ。メーカーオプションのエアロ変更もダメってか、内装以外の全てのカスタム・改造が保安基準に関係なくダメらしい。
チューリッヒ保険会社の「カスタマイズカー」とは、完全なるフルノーマル以外が該当してしまうようです。
ただし、確認して承認されれば加入は可能なようです。
ルカ娘の現在の使用を伝えたところメジャーなメーカーのパーツへの変更だったため加入は可能との返答でした。ケースバイケースで確認すると言っていたので、どのような基準なのかはわかりませんが、内装以外(バッテリー・ホイール・エアロ・足回り・吸排気・エンジン等)の仕様を変更している場合は必ず確認してから加入しましょう。
この定義だと、カッティングシートやステッカーの外装・ガラスへの貼り付けも厳密に言うとアウトなので、ホントに純正状態から何にもしていない人以外は必ず確認しましょう。
イーデザイン損保(東京海上)の場合
イーデザイン損害保険株式会社の確認事項の中には「カスタマイズカー」はありませんでした。多くの場合はこのように「改造車」の確認があります。
改造車というのは何度も言っているように「車検証上の「改」表記あり」を示すのですが、チューリッヒの様な場合もあるので、改造車の定義を問い合わせて確認しました。
Q:改造車とは保安基準を満たさない違法改造車を示しているんでしょうか?
A:車検証の型式欄に「カイ」「改」と記載されている車、用途・車種が変更されている車を示しています。
Q:保安基準を満たす改造であれば問題ないですか?
A:保安基準を満たさない違法改造車や、車検証に改の記載がなければ問題なくご加入頂けます。
こちらは想像通りの回答でした。改造車の定義は「車検証に改の記載がある」というごく一般的な定義でした。
ただし、万が一のこともあるので仕様を伝えて判断してもらうのが良いでしょう。
1年に1度は保険会社の見直しを
自動車保険は完全なる掛け捨て保険なので、同じ条件なら間違いなく安い会社の方が良いです。
1年に1度は保険会社を比較して今の保険を見直してみましょう。
保険会社の一括見積もりを利用して、同条件で一番安い会社を探してみてください。メールとはがきが届くぐらいで、営業電話はかかってこないし、特典で図書カードやQUOカード、商品券がもらえたりするので、是非比較してみてください。
また「車両身の回り品補償」等に加入していた場合、車内やトランクに積んでいた動産(カメラ、電動ガン、ガスガン、衣類など)の保証を受けられる場合がありますので、できるだけ正確な情報を保険会社に伝えましょう。
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